レイヤーの基本操作(その1)

作成:11.03.2001
改訂:07.26.2006
対応Photoshopバージョン:6.0以上




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ここではPhotoshopのレイヤー機能の基本操作を実習しながら紹介します。


もくじ

レイヤーとは?
レイヤーは、画像に仮想的な透明フィルムを被せることで、複雑な合成を可能にしているものです。
原則的に個々のレイヤーは独立して操作されるため、他のレイヤーの画像に影響を与えることがありません。
現在、Photoshopをはじめ、多くの画像処理ソフトにこのレイヤー機能が搭載されていますが、Photoshopのレイヤー機能はバージョンアップごとに強化され、非常に強力なものとなっています。


レイヤーの作成、表示と描画モード

  1. Photoshopを起動します(ここでは、PhotoshopCS2のMacintosh版を使用しています)。


  2. 今回は200×200pixcel、72pixcel/inchで新規ファイルを作成します。



  3. レイヤーパレットを表示します。画面上にみあたらない場合は、[ウィンドウ]→[レイヤーを表示]を選択してみてください。
    現在は「背景」のレイヤーだけが存在しているはずです。



  4. レイヤーパレットの下のほうにある「新規レイヤーを作成」ボタンをクリックして、新規のレイヤーを追加します。


    レイヤーパレットには自動的に「レイヤー1」が作成されて、アクティブになります。



    ヒント:レイヤーパレットの各ボタンは次のようになっています。



  5. 前のステップと同じ操作で、あと2つ(合計3つ)のレイヤーを作成します。



  6. 「レイヤー3」がアクティブな状態で、適当な図を(シェイプツール以外で)描きます。
    この例では、楕円形選択ツールで丸形を作成してから、[編集]→[塗りつぶし...]で中をぬりつぶして青い丸を作成しています。



  7. レイヤーパレットで「レイヤー2」をクリックしてアクティブにします。



  8. 先のステップと同様に図形を描きます。このとき、前のレイヤーとは少し離れたところに、異なる色で図を描いてください。



  9. 同様に「レイヤー1」にも図を描きます。



  10. 「レイヤー3」の目玉マークをクリックしてみます。


    「レイヤー3」の画像は見えなくなります。


  11. ふたたび「レイヤー3」の目玉マーク(があったところ)をクリックします。画像が表示されます。このように目玉マークは、そのレイヤーの表示/非表示を切り替えるために用います。





  12. レイヤーパレットで「レイヤー3」をクリックしてアクティブにしてから、(この例では青い丸印)を移動ツール()でドラッグし、下の画像と一部重なるようにします。



  13. レイヤーパレットで描画モードを「乗算」にします。


    下の画像と重なる部分の色合いが変化します。

    確認できたら、描画モードはもとの「通常」に戻しておいてください。


    ヒント:個々のレイヤーはこのように描画モードを変更できるほか、不透明度を下げることで半透明にしてしまうことができます。

    「レイヤー3」の不透明度を40%にしたところ



  14. パレットで「レイヤー3」をクリックしてアクティブにしてから、レイヤーパレットの「透明部分をロック」ボタンをクリックします。



  15. ブラシツールなどで、「レイヤー3」の画像の外側部分をドラッグしても、まったく図が描かれないことを確認します。


    ヒント:ロックにはほかに画像の部分をロックする「画像ピクセルをロック」、位置をロックする「位置をロック」、それらをふくめた「すべてロック」があります。

    また「塗り:XXX%」(XXXは数字)のドロップダウンリストがあります。これは「塗りの不透明度」で、後述のレイヤースタイルで、指定された効果以外の部分の不透明度を調整するためのものです。


    (注)Photoshop7.0以前では、上記はチェックボックス形状となっています。

  16. 「透明部分をロック」をクリックして、解除しておいてください。


  17. 続けて、[レイヤー]→「レイヤースタイル」→[ドロップシャドウ...]を選択して、そのまま[OK]ボタンをクリックします。


    「レイヤー3」の画像に影ができます。



    ヒント:レイヤースタイルにはこのほかにも「べベルとエンボス」「光彩(内側)」「グラデーションオーバーレイ」など多数あります。また、個々のレイヤースタイルのパラメータを調整することで細かく変化させることができます。
    これらは単独または組み合わせて様々な効果を作成できます。

    「べベルとエンボス」効果と「ドロップシャドウ」効果の組み合わせ例



    さらにヒント:レイヤースタイルの組み合わせは、スタイルパレットの[新規スタイルを作成]ボタンで、スタイルとして記録し、さらにこれをファイルとして保存することも可能です。スタイルの詳細については、こちらも参照下さい。

    スタイルパレット


  18. 「レイヤー3」がアクティブな状態で、レイヤーパレットのメニュー(パレット右上の三角マークをクリックするとあらわれます)から、「下のレイヤーと結合」を選択します。
    「レイヤー3」は「レイヤー2」に統合されます。このとき、効果(fマーク)の部分が画像として結合されてしまうことに注意してください。




  19. 次の実習のため、[編集]→[下のレイヤーと結合の取り消し](または[一段階戻る])を選択して状態を戻しておいてください。

    注意:編集メニューから戻れないときは、ヒストリーパレットで操作を戻してみてください。


レイヤーのリンク

レイヤーが複数存在する場合、これらをリンクすることによって、移動や整列がスムーズに行えます。

  1. 先の実習からの続きです。
    「レイヤー1」から「レイヤー3」をShiftキーを押しながらクリックして選択し、パレット下の「レイヤーをリンク」をクリックします。各レイヤーの右にレイヤーのリンクを示すクサリマークが表示されます。



    ヒント:PhotoshopCSまでは、レイヤーのリンクにリンク用のアイコンを使います。
    目玉マークの右横をクリックするとクサリマークが表示されて、リンクができます。

  2. リンクされたレイヤーは、その相対的な位置関係を保持します。
    移動ツールで「レイヤー3」をドラッグしてみると、ほかのレイヤーも一緒に移動します。



  3. リンクされたレイヤーは、[レイヤー]→[整列]や[分布](リンクレイヤーが3つ以上のときに選択可能)にあるコマンドで、整列や配置が可能です。この例では[レイヤー]→[整列]→[垂直方向中央]を実行しています。



  4. リンクを解除するにはレイヤーパレットのクサリのマークをもう一度クリックしてください。



ヒント:多数のレイヤーが存在するときは、レイヤーパレット下部にある「新規グループを作成」ボタンでグループを作成し、そこに各レイヤーを(ドラッグ&ドロップで)入れると管理しやすくなります。

レイヤーグループのある状態


調整レイヤー

調整レイヤーは、画像そのものに変更を加えることなく、効果がかかった状態をつくり出すことができます。

  1. ここまでの練習とは別のファイルを開きます。できれば写真画像が効果を確認しやすいでしょう。



  2. レイヤーパレットのボタン()をクリックして「トーンカーブ...」を選択します。
    グラフを適当にドラッグしてから[OK]ボタンをクリックします。



  3. 画像が変化しますが、実際にはトーンカーブの調整レイヤーが画像にかぶさっているだけです。






  4. レイヤーパレットのゴミ箱のボタン()へ調整レイヤーをドラッグ&ドロップして削除すると、画像はもとどおりになります。




★今回のまとめ★
レイヤーは画像に仮想的にフィルムを被せることによって、様々な試行や合成、効果を作成できるものです。今回は次のような基本操作を実習しました。

レイヤー機能には、今回紹介したものにさらに加えて、文字ツールによって作成される「テキストレイヤー」(「文字ツールと文字マスクツール」参照)、シェイプツールで作成される「シェイプレイヤー」(「シェイプツール」参照)などがあります。






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