パスの基本操作

作成:06.10.2006
改訂:--.--.----
対応Photoshopバージョン:5.0以上
使用Photoshopバージョン:CS2




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ここではPhotoshopのパスに関する機能を、主にペンツールを使って実習します。
パスはPhotoshopでは使用頻度はあまり高くありませんが、知っておくとシェイプの変更などでも使えて便利です。

パスに関連するツールはPhotoshopの他の機能と比べて直感的な操作が難しく、練習しないとなかなかうまくいかないと思います。じっくりがんばってください。


もくじ

ペンツールでパスを描く

  1. Photoshopを起動します(ここでは、PhotoshopCS2のMacintosh版を使用しています)。


  2. 練習用に適当な大きさで新規ファイルを作成します。


  3. ツールボックスからペンツール()を選択します。


  4. オプションバー(画面の上の方)の左端で、「パス」を選択します。これを選択しておくと、パスだけが描画されます(左隣の「シェイプレイヤー」では、パスを描くと同時にシェイプレイヤーが作成され、パスはそのままベクトルマスクとなります)。



  5. 画像の適当な位置でクリックします。ここでは、赤丸印の三カ所をクリックしました。
    クリックした点を結ぶように線が現れます。点は「アンカーポイント」と呼ばれ、このアンカーポイントで結ばれた2点間がひとつのパス(「サブパス」)です。
    通常、図形は複数のサブパスから構成されますので、パスと言った場合、一般的にはこの図形全体を表します(厳密にはパスコンポーネント)。




  6. もとの地点に戻ってクリックします。
    これでパスは閉じた状態となり、描画が完了します。このように閉じたパスを「クローズドパス」と呼びます。
    閉じずに終了(最後にEscキーを押す)して「オープンパス」も作成できます。



  7. パスパレットを表示します(画面上に見当たらない場合は「ウィンドウ」メニューから「パス」を選択します)。「作業用パス」として、練習で描いたパスが存在しています。
    ここでは、パレット右下のゴミ箱にドラッグ&ドロップして削除してください。




  8. あたらしくパスを描きます。
    ペンツールを選択した状態で、画像の任意の位置でクリックし、そのまま下方向にドラッグします(Shiftキーを押しながらドラッグするとまっすぐになります)。
    ドラッグした方向と、その反対方向に線が表示されます。これは「方向線」と呼ばれ、パスを曲線で描く場合に重要な役割を果たします。




  9. 続けて、先ほどの少し右側でクリックし、今度は上方向にドラッグします。
    これで下側に弓なりの曲線が現れます。



  10. さらに右側で、またクリックし、下方向にドラッグします。これで上側に弓なりの曲線が描かれます。



  11. 最後にEscキーを押します。
    波形のパスが完成します(方向線は見えなくなります)。



  12. また別のパスを作成してみましょう。
    今度は、最初の点で上方向にドラッグ、次の点で下方向にドラッグし、ここで出てきた方向線の先(方向点)をAlt(MacはOption)キーを押しながらドラッグしていき、上の方向点に重ねていきます。



  13. 3つめの点で下方向にドラッグします。
    これで山なりのパスができます(最後はEscキーを押して描画を終了してください)。



    ヒント:パスの操作には次のツールが使用されます。



    パスコンポーネント選択=ひとつのパスコンポーネント全体を選択して、移動などができます。
    パス選択=ひとつのサブパスを選択して操作できます。




    ペン=パスを描画します。
    フリーフォームペン=ドラッグした線に合わせてパスを描画します。
    アンカーポイントの追加=パス上にアンカーポイントを追加します。
    アンカーポイントの削除=アンカーポイントを削除します。
    アンカーポイントの切り替え=方向点を切り替えて、パスを変更します。



パスの境界線を描く

ペンツールで作成したばかりのパスは「作業用パス」となります。このままでPhotoshopファイルに保存可能ですが、実際には一時的なものです。作業用パスを保存して「パス」にすると、様々な操作が可能になります。

  1. 新しくファイルを用意し、適当なパスを描きます。



  2. パスパレットで、「作業用パス」を[新規パスを作成]のボタンにドラッグ&ドロップします。


    パスが保存され、「パス1」ができます。


  3. パスパレットのメニュー(パレット右上の三角マークをクリック)で「パスの境界線を描く...」を選択し、ツールに「ブラシ」を指定します。


    線が描かれます(線の太さなどはブラシツールの現在の設定によります)。


クリッピングパスの作成

クリッピングパスとは、画像の切り抜きに使用されるパスのことです。
Photoshopでクリッピングパスを作成しておくと、Illustratorなどの対応ソフトで、画像が切り抜かれたようになります。

  1. 適当なファイルを開いて、パスを作成します。
    この図では少しわかりづらいですが、時計の周りを囲むようにパスを作成しました。



  2. 作業用パスを[新規パスを作成]ボタンにドラッグ&ドロップして「パス1」にします。






  3. パスパレットのメニュー(パレット右上の三角マークをクリック)から「クリッピングパス...」を選択し、そのまま[OK]をクリックします。


    画像そのものに変化はありませんが、パスパレットの文字が白抜き文字になります。


  4. [ファイル]メニューの[別名で保存...]を選択し、フォーマット(形式)に「PhotoshopEPS」を選択して保存します(この後にダイアログボックスが表示された場合は、そのまま[OK]で続行してください)。



  5. Illustratorや、InDesignなど他のレイアウトソフトをお持ちの場合はファイルを読み込んでみてください。背景部分が切り抜かれているように見えるはずです。
    Adobe Bridge(PhotoshopCS2に添付)でも白く抜けているのが確認できます。





シェイプを操作する

シェイプツールで描かれた図形も実際にはパスで作成されているため、パス関連ツールで操作できます。

  1. 適当なシェイプを描きます。
    ここでは長方形ツールで長方形を描きました。



  2. アンカーポイントの切り替えツール()を選択し、長方形の角をクリックして方向線を引き出し、ドラッグしてみます。シェイプは変形します。




    ヒント:PhotoshopCS以上では、パスの上に文字ツール(または文字マスクツール)で、文字を配置することができます。



    ペンツールで描いたパスの上に文字ツールで文字を配置



★今回のまとめ★
Photoshopでのパス機能ではパスを描くほか、境界を描画したりクリッピングパスを作ったりすることができます。
今回は次の内容を学習しました。





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