Adobe Photoshop CS2 差分

作成:07.08.2004
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ここでは、前バージョン(PhotoshopCS)から機能強化された、 PhotoshopCS2の新機能のうち、主なものについて差分を簡単に紹介いたします。

PhotoshopCS2新機能

機能項目 概要とインプレッション
バニッシングポイント

[フィルタ]→[Vanishing Point]。画像ファイル上に遠近状態を示すグリッドを定義すると、そのグリッドに沿う形で画像の加工ができる機能。かなり強力ですが、案外、出番は少ないと思われます。
画像のワープ
[編集]→[変形]→[ワープ]。
パスのようなグリッドを表示し画像ウィンドウで直接、ワープ変形を行う機能。直感的な操作ができます。
光学レンズ補正
[フィルタ]→[変形]→[レンズ補正...]。
カメラのレンズの特性で発生するゆがみ(広角レンズで周辺部がゆがんだりする)を簡単な操作で補正する機能。
32bitHDR ハイダイナミックレンジと呼ばれる、32bitの超高画質に対応。
ビデオのプレビュー ビデオ画像がプレビューできます。
一新されたPDFエンジン Acrobatで使用される、PDF形式のファイル出力モジュールを書き直したようです。Acrobat7.0に対応。
ノイズの低減
[フィルタ]→[ノイズ]→[ノイズを低減...]。
文字通り、画像のノイズを減らす機能。今まではダスト&スクラッチフィルタ、ぼかしとシャープの組み合わせなどで処置していたのが、一つのインタフェースで簡単かつ高度にできます。高解像度のデジカメユーザーには便利でしょう。
cameraRAW RAWファイルへの対応機能を拡張。複数ファイルをまとめて一度に処理すること、露光量やシャドウ明るさの自動設定処理が可能です。
印刷機能の拡張
いままでは比較的ショボかったプリントプレビューが拡充されました。
Version CUE CS2 複数のユーザーでひとつのファイルを操作する場合などで、バージョン管理を行うツール。ファイルの上書きトラブルもこれで激減?
イベントベースのスクリプティング
[ファイル]→[スクリプト]→[スクリプトイベントマネージャ,,,]。何らかの操作を行ったことをトリガーにして、アクションを実行させる機能。ファイルを開くと同時に、自動でフィルタ処理させるなどといったことが可能になります。
Adobe Bridge
いままでのプレビューが進化して、別アプリケーションになったもの。IllustratorやPDFファイルもプレビューでき、スライドショー機能もあります。Creative Suite製品とあわせて使用すると便利でしょう。最初の起動が少し重いです。
スポット修復ブラシ
修復ブラシツールの拡張版。周辺の色を自動的に分析して、クリックされた部分を一回で補正します。
スマートオブジェクト Illustratorなどで作成されたベクトル画像がそのままPhotoshopで使用できます。
拡張された16bit編集 16bit画像ファイルへの対応強化。ゆがみやぼかしなど、今までは16bit画像で使用できなかったフィルタが使用できるようになりました。
赤目補正
赤目修正ツール。名前のとおり、人物写真の赤目を補正します。Elementsには最初からあったのですが・・・。修復ブラシツールと同じグループに追加されました。
アニメーションの作成 [ウィンドウ]→[アニメーション]。いままではいったん、ImageReadyを起動してからでないと作成できなかったGIFアニメーションがPhotoshopから直接可能です。
フォントプレビューメニュー
フォント選択のメニューが、そのフォントのイメージで表示されます。これは便利!
メモリ使用の拡張 2GB超のメモリに対応。64bitのハイエンドマシンの性能を引き出します。
Adobe Online Services オンラインでプリント注文できる機能。
変数
[イメージ]→[変数]。レイヤーに変数を設定し、その変数の値を入れ替えることで繰り返し処理を効率化する機能。
Adobe Help Center
ブラウザを利用していたオンラインヘルプが、独自のアプリケーションになりました。画面の小さいマシンでは重宝しそうです。
スマートシャープ
[フィルタ]→[シャープ]→[スマートシャープ...]。
細かな設定でシャープを適用します。シャープを適用したときのハロー効果(エッジが強調されすぎてしまう)や、少しのブレも補正可能。


その他の気になるところ

ぼかしフィルタの拡張

[フィルタ]→[ぼかし]のメニューが少し拡充されています。シェイプやボックスが追加。

おまけが・・・

ビデオで新機能を紹介するCDが付属。マニュアルなんか読んでられない、せっかちな人にはうれしいおまけです。


でました・・

Macintosh版ではCommand+[Adobe Photoshopについて...]、
Windows版ではCtrl+Alt+[ヘルプ]→[Adobe Photoshopについて...]で出てくる、バージョンごとに異なるイースターエッグ。
今回はサルですが、とりあえず、ネコはいました(下のほう)。

まとめ

PhotoshopCS2は、PhotoshopCSの正常進化版といったところでしょうか。BridgeやVersionCueなど、別アプリケーションの追加統合、32Bit HDRに代表される将来的なバージョンへの布石と思える機能などが印象的です。
7.0からCSのときのような、劇的な変化はないと個人的には感じました。